不動産ファンドで求められる器の役割について

不動産ファンドで求められる器の役割について

このエントリーをはてなブックマークに追加  

不動産の小口化

少額で不動産投資が可能になるという点が、不動産ファンドが不動産投資に用いられる理由の1つです。従って、小口化された不動産の持分を出資持分に応じて投資家が保有し、不動産からその持分に応じた収益をそのまま受け取れる効果が器には求められます。

 

不動産ファンドで求められる器の役割について

 

二重課税の回避

 

投資家段階での課税と器段階での法人税という二重の課税を回避することを二重課税の回避と言います。ご存じの通り、約40%の法人税が我が国においては課せられるため、器に対して仮に法人税が課せられると、残りの約60%の部分についてしか投資家は収益とすることはできないのです。

 

こうした事に対応するために、法人税が器の段階でその収益に課されない仕組みが必要です。つまり、不動産からの収益を投資家がそのまま受け取れるような導管体としての役割が器には求められているのです。

 

スポンサーリンク

 

倒産隔離

 

器を通して投資家が、不動産から収益を受け取ることができるのが不動産ファンドです。ですから、自らや関係者の意向によって器が不動産以外の事業を勝手に行って多大な債務を負ったり、不動産事業を独断でやめてしまったり、不動産事業が関係者の影響によって営めなくなったりするなど、不動産から投資家が享受すべき収益を受け取ることができないという事態に陥ると大変です。

 

そこで、収益を確実に不動産から得るために、関係者の倒産の影響を被ったり、器が勝手な行動を採ることで倒産した入りすることを防ぐための手当てが様々必要になります。倒産隔離という言葉はこうした手当の総称です。

 

 

借入の利用

 

個人で不動産投資を行う際にも、多くの場合に自己資本だけでなく借り入れを利用します。不動産に投資家が直接投資するような効果が器には求められますので、借り入れが可能かどうかという点は重要になってきます。

 

一般の借入道同様に返済義務を負った資金であるというのが借入に対する器側の認識です。つまりは負債と同じということになります。この借入部分についてはデットと呼ばれます。投資家が不動産に投資するためのものとして器をとらえると、投資家から得た出資金は自己資本であるということができます。

 

この出資金の部分についてはエクイティとも呼ばれます。よく耳にするアセットとは、このデットとエクイティで所得した不動産部分のことです。




このエントリーをはてなブックマークに追加